特別養護老人ホームでの「看取り」ってなんだ?
特別養護老人ホームにおける看取りとは、どのようなものかご存知ですか?
看取りとは、ターミナルケアとも呼ばれ、利用者にとってもその家族にとっても重要な終末期医療となります。
特別養護老人ホームで看取りをする場合、どのように看取り介護が行われるのでしょうか?
■看取り介護とは
そもそも看取りというのは、施設等で亡くなる人が安らかに最期を過ごせるようにしていく介護のことを言います。
介護用語でターミナルケアと呼ばれる終末期医療の分類は現在非常に重要視されており、本人の意思はもちろん、利用者の家族の意思を配慮し、苦痛なく穏やかに過ごしていけるよう、苦痛緩和措置や精神的な苦痛緩和が主に行われることになります。
現在、全国の7割の特別養護老人ホームで看取り介護が実施されていると言われています。本人や残される家族にとっても看取り介護があることは心強いと感じている人が多いのも理由の1つと言えるでしょう。
特別養護老人ホームの介護職員は、本人とその家族の希望を基に十分なケアをしていく必要があります。
■特別養護老人ホームでの看取り介護の流れ
特別養護老人ホームでの看取り介護は時間をかけて行っていく必要があります。その全体の主な流れとしては、看取り介護を実施する上での要望や特別養護老人ホームの看取り介護に対するケアの仕方、医療機関との連携や最期の時の対応など、様々なことを確認する適応期と呼ばれる段階からスタートします。
具体的に流れを段階別に記載していきましょう。
1.適応期
看取り介護に対する考えや、特別養護老人ホームの対応等を確認する段階です。
2.安定期
入所半年以降を経過した利用者の安定期という段階です。
適応期と対応は似ていますが、ここで重要なのが本人の意思の変化や健康状態の変化と言えます。
3.不安定・低下期
特別養護老人ホームで過ごしていく中で徐々に身体が衰えていくと、不安定・低下期という段階に入ります。
また、死を迎える最期が迫ってきていることを意味するため、食事やケアの仕方など、本人の希望が最優先されます。
4.看取り期
これ以上回復が見込めない状態になってしまうと、いよいよ看取り機に入ります。
看取り介護を進めていくにあたり、特別養護老人ホームでできることや介護計画書の同意などを行います。
また、亡くなった後の対応やお葬式の相談もこの段階で行われていくのです。
5.看取り
できるだけ家族に看取られながら最期を迎えることができるよう、施設側は対応します。
看取り後に実施されるのは、残された家族に対する心のケアです。
また、葬儀に職員が参加することもあります。
遺族へのケアを重要視していることも、看取り介護の大きな特徴と言えるでしょう。