飲んでいる薬の中身、わかっていますか? -パートⅡ-
高齢者が飲んでいる薬の内容をしっかり把握している人がどれだけいるでしょうか?
老人ホームのスタッフならまだしも、在宅介護において薬剤の知識を持っている人は非常に少ないでしょう。
いま飲んでいる薬がどんな種類で何の効果を持っているのかを知らないまま、薬を飲むことは危険なことです。
■高齢者がよく処方される薬はなに?
加齢や持病により、慢性的な疾患を抱えていることが多い高齢者は、いくつもの薬を同時に服用している場合があります。
薬が多い分だけ薬によるトラブルも多くなるため、介護者や老人ホーム側の服薬管理が非常に重要です。
老人ホームに勤める介護スタッフは経験上、薬の知識を持っていることが多く、服薬管理も万全です。
しかし、在宅介護の場合は老人ホームのように薬や介護のプロではないため、これらの事が疎かになりがちです。
高齢者が服用している薬は、糖尿病・慢性心不全・不整脈・認知症の薬である場合が多いです。
同じ症状に効く薬でも、その人に合う、合わないがあるため薬の誤飲は非常に危険です。
特に老人ホームに暮らす高齢者は排泄機能が衰えているため、薬に過剰反応を起こすケースも少なくありません。
ですから、在宅介護・老人ホームに関わらず介護では服薬管理の徹底が求められます。
■高齢者の服薬で大切なこと
高齢者は体のさまざまな場所に衰えを感じていきます。
身体機能が低下し続ける高齢者がたくさんの薬を飲むということは、それだけでリスクが高まるのです。
加齢により目が見にくくなったり、耳が聞こえにくくなることで薬を正しく服薬できない場合もあります。
ですから、家族の方や老人ホームのスタッフが十分注意してあげることが求められます。
■服薬時は必ずサポートを
高齢者が服薬する際は家族や老人ホームのスタッフが必ずサポートしてあげるようにしましょう。
高齢者が飲み間違えをしないように1錠ずつ手渡しして服薬を見守ることや、老人ホームでは入居者が一斉に服薬することで飲み忘れを防止しているようです。
また高齢者が薬をしっかり飲みこめているのか、口の中をチェックすることも重要です。
必要であれば、病院や薬剤師とコミュニケーションを取り、一緒に高齢者を見守ることも重要です。
老人ホームの多くでは既にこのような提携が取られているようですが、在宅介護ではなかなか手が回りません。
ですから、処方される薬が多い場合には、薬剤師に頼んで1回分事に薬を1包にまとめてもらったり、使いやすく工夫してもらいましょう。
粉状の薬が飲みにくい場合は、粒状にして貰ったり、オブラートに包んで飲ませるなどの工夫をする事でトラブルを防ぐ事ができます。