薬の管理が難しければ、薬局に相談しよう

加齢や持病により通院を続けている高齢者は年々増え続けています。
元々健康体であったとしても、痴呆や認知症などを発症してしまうと病院から処方された薬を飲まなくなってしまったり、逆に過剰に飲んでしまい生命に危険を及ぼす場合があります。今、こうした高齢者と処方した薬の管理の問題が介護の大きな問題として話題になっています。

在宅介護では、家族の見守りやホームヘルパーの介助などで薬の管理が行えますが、老人ホームのように大勢の高齢者が暮らしている介護施設では薬の管理はどうなっているのでしょうか？

■老人ホームでの薬の管理

老人ホームの中には薬剤師と提携している施設も多く、その場合は病院に属する薬剤師が処方された薬を老人ホームに届けたり、老人ホームに入居中の患者の体調管理・服用管理なども行っているようです。
また飲み忘れ防止策として、入居者が一斉に薬を飲むことを勧めています。
全員が一緒に薬を飲むことで、在宅介護を受けている患者より飲み忘れを防ぐ事ができるからです。

■薬間違えがないように工夫

老人ホームには沢山の高齢者が暮らしています。
ですから入居者の薬の管理には気を使わなければいけません。
老人ホームにおける薬の管理はスタッフの仕事。かと言ってスタッフ全員に薬剤の知識があるわけではありません。
ですから、提携している薬剤師が工夫してスタッフに渡すようにしている所が多いようです。
薬を間違えないように、朝・昼・晩・寝る前といったように服用する時間ごとに薬をまとめています。
薬の袋には飲む日時・時間・名前を書いて1包ずつ明記したうえでスタッフに渡します。
こうすることで、入居者は飲み間違えがなく、そしてスタッフは薬の管理がし易くなります。

■服薬前に何度も確認

老人ホームでは入居者にお薬を配る前に、何重にもチェックを行います。
何度もチェックを行うことにより、誤飲や過剰摂取を減らすことが可能なのです。
服薬している薬の種類では、他の入居者が誤って飲むと命に関わるような薬もありますので、このような何重にもチェックが必要なのです。
また正確に薬を渡した場合でも、入居者が床に落としてしまったり、飲み忘れがあったり、ポケットにしまって忘れてしまうという場合も多いです。
口に入れたとしても、飲み込みきれずに口の中に溜まってしまったら服薬したとは言えません。
薬の管理は間違いなく薬を渡すことだけではなく、しっかり飲みこんだのを確認するまでが仕事です。
老人ホームは人員不足が続き、細かい箇所までは確認が行きとどかないかもしれませんが、入居者の健康のためにも一層の工夫が必要でしょう。