特養での「看取り」。家族間の連携を大切に!
特別養護老人ホームでは、人生の終止符を安らかに迎えてもらうために看取り介護サービスを提供しています。
このサービスを導入している施設では、入居者が最期のときを迎えるまで介護職員が寄り添いながら過ごしていくものです。
当然入居者の家族は、終末期に入った入居者のことが頭から離れない時間を過ごすことになるため、施設との連携を大切にしていきたいところです。
では、看取り介護とはどのような意味がありどのようなサービス内容になっているのでしょうか?
■特別養護老人ホームでは7割の施設が看取り介護を実施している
入居者の「終の棲家」となることが多い特別養護老人ホームでは、全体の7割程度が看取り介護サービスを行っています。
全ての入居者に対して看取り介護の計画を立てているという施設は、全体のうち約5割も占めていることから非常に利用者のニーズが増えてきているということがわかります。
病院に比べると医療体制が不十分ではありますが、症状が悪化した場合は直接病院に搬送することになるのでその点は安心です。
できるだけ慣れ親しんだ場所で終止符を打ちたいという利用者も多いため、特別養護老人ホーム以外の施設(介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム)でも看取り介護を実施しているところもあります。
■看取り介護とは家族と連携していくもの
看取り介護とは、本人の意思をできるだけ尊重し終わりのときまで安らかに過ごせるように援助を行うことを目的としています。
特別な介護というよりも、日常的な介護の延長線上にあるものといった方がわかりやすいでしょう。
当然お迎えの時期がくれば誰もが不安を感じるものなので、今までできなかったことや悔むことなど後悔やストレスが生じてきます。
特別養護老人ホームの職員は、できるだけ希望に沿った介護を行いますが、時には家族とのコミュニケーションを密にしていくことも必要です。
現在の体調面や精神面を老人ホーム職員・家族で共有しながら精神的負担を減らしてあげる場面も出てくるでしょう。
思うように食事がとれなかったり、好みも変わってくることもあります。
量を減らしたり、内容を変更することは老人ホーム側が行うことですが、それをスムーズに応じることができるようにするためには家族の力も必要になります。
入居者にとって、いざという時頼りになるのはやはり身内です。
老人ホーム職員には遠慮したり、気をつかって口に出せないことも家族になら打ち明けることもたくさんあります。
ですから、看取り介護のサービスは、入居者本人というよりも家族を含めたサービスという風に解釈してもよいでしょう。