特別養護老人ホームでは点滴ができないの？

体が不自由な高齢者の中には常時点滴を必要とする方も多くいらっしゃいます。
要介護3以上の高齢者は特別養護老人ホームに入所できますが、この時点滴はしてもらえるのでしょうか。
特別養護老人ホームの医療行為についてご紹介します。

■特別養護老人ホームで点滴はできる？

特別養護老人ホームには重度な要介護者が多く、医師や看護師が常勤しているので、有料老人ホームに比べて医療体制は手厚いものとなっています。
それなら点滴も可能だと思われますが、基本的に点滴は行われないと考えておきましょう。
特別養護老人ホームでも医師の指示があれば、看護師が点滴をすることができます。
しかし、特別養護老人ホームは介護保険の分類であり、医療行為による診療報酬の請求が不可能です。
診療報酬がないということは利益にならず、赤字になり経営破たんなどにつながるので、医療保険適用のサービス提供が難しいと言えます。
しかし、施設によっては月に1回程度点滴を行っているところもあるので、必ずできないというわけではありません。

■往診で点滴を行うことが多い

特別養護老人ホームは医療行為が限定的なものになってしまいますが、メリットとしては医療機関との連携が充実していることです。
基本的に介護サービスを提供する施設なので、医療サービスは外部を利用していることがあります。
常時点滴が必要な場合は診療所や病院などで点滴が行われますが、特別養護老人ホームへ医師と看護師が訪問し、往診として医師本人、もしくは同行している看護師が行うケースも多いです。
往診であれば点滴は可能ですが、点滴が常時必要な場合は入所を断られる施設もあるので注意しましょう。
なお、点滴は体内へ水分や栄養を補給するために行われる医療行為であり、医師の診断なしですることはできません。
診断によっては点滴ではなく、口から栄養摂取する方法を提案されることもあります。

■新型老健への入所

介護療養型医療施設は高齢者施設の中でも医療ケアに優れているので、点滴を必要とする高齢者も比較的に入りやすいです。
しかし、介護療養型医療施設は廃止が見込まれているため、受け皿として介護療養型老人保健施設、通称新型老健ができました。
まだ数は少ないですが、手厚い医療行為を望む場合はこちらの入所も検討してみると良いでしょう。

このように、特別養護老人ホームでは医療行為が限定されるので点滴ができない場合があります。
しかし、施設ごとに工夫して医療体制を整えているので、入所前にどの様な医療行為が可能なのか、点滴などができない場合はどうするのかなどしっかり確認しましょう。