特別養護老人ホームの入居はどうやって決まるの?
特別養護老人ホームでは50万人以上の入居待機者がいると言われています。
重度な介護度であっても終身でいることができるため、なかなか空きができない状況と、費用も安いことから希望者が殺到することが待機の要因となっているようです。
現在特別養護老人ホームでも、要介護度3以上の制限により待機期間が短くなっているものの、今後も希望者は多くなっていくと予想されます。
そんな特別養護老人ホームまでの入居は、どのように決められているのでしょうか。
■特別養護老人ホームの入居順位は先着順ではない
特別養護老人ホームの待機期間はエリアや施設規模などによって様々ですが、早くても1ヶ月以内に入居が可能です。
しかし、中には3ヶ月以上、半年、1年以上も待たされるケースがあり、待っているうちに有料老人ホームなどに入ってしまうケースも珍しくありません。
なかなか入居できない理由に入居の申し込みが遅かったからととらえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前は先着順で入居の許可がされていたようですが、現在は入居審査を通じて入居の優先順位が決まっています。
なので、申し込みが早い・遅いに関わらず入所順位は決められているのです。
■特別養護老人ホームの入居基準について
入居の順位は各施設に設けられている入居検討委員会が決定します。
自治体によって基準は異なりますが、一定項目を点数で評価し、高得点者から優先的に入居が可能です。
それでは、一般的に評価される項目を見ていきましょう。
・要介護度
特別養護老人ホームでは要介護度3以上の高齢者が入居可能です。
なので、要介護度が高いほど評価も高く、この部分が総合評価の大半を占めます。
・認知症の度合い
認知症によって介護の苦労も変わってくるので、こちらも配慮が大きな項目です。
・現在の住まい
基本的に他の施設への入居、病院の入院は評価が低めで、在宅介護の方が有利です。
・在宅サービスの利用
家族の介護よりも在宅介護のサービスを利用する方が、重度の要介護の可能性があると判断されます。
・介護力
介護者、つまり家族の現状から介護力を把握します。
介護ができる家族がいるかいないか、家族が働いている、外部に協力者がいる、生活環境などから総合的に介護力を評価する項目です。
他にも特別養護老人ホームやケアマネージャーによる意見などで加点されることもあり、これらは各都道府県のホームページから入居方針や基準を確認できます。
高得点の高齢者ほど優先ですが、他に高得点の希望者があらわれることで順番が随時変動しやすく、優先度が高くても特別養護老人ホームの空き状況によってすぐに入れるわけではないので、その点も理解しておきましょう。