刻むだけじゃない!多種多様な食形態が食事を支えます
高齢になってくるとどうしても噛む力、飲み込む力というものが弱まってしまい、今まで食べられていたものでも食べづらさを感じることや、間違えて気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎などを引き起こしてしまう可能性も高くなってしまいます。
そこで、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどといった老人ホームでは、食事の際にその人に合った食形態で提供しているのです。
一般的に細かく刻んだ食事などを目にするかと思いますが、それ以外にも様々な食形態が提供されています。
今回は、老人ホームでも提供されている様々な食形態についてご紹介しましょう。
■食形態の種類
・刻み食
噛む機能が低下している人や開口障害を持っていて大きく口が開けられない人は、材料を細かく刻んで食べやすくしている刻み食がおすすめです。
刻んだものを飲み込む際にむせやすくなってしまう唾液の分泌量が少ない人や、入れ歯を使っていて歯と歯茎の間に料理が入りやすくなってしまう人は、他の食形態を利用しましょう。
また、刻み食の場合さいの目切りで提供される形態と、フードプロセッサーでみじん切りにした状態で提供される形態(極刻み)の2つに分類することができます。
・軟菜食
見た目的には普通の食事とさほど変わりませんが、全ての材料を煮込んだり茹でたりすることで歯がなくても食べられる程柔らかい料理を軟菜食と言います。
軟菜食は噛む力が弱い人はもちろん、飲み込む力も弱い人や、胃腸炎などを併発している人などが選ぶと良いでしょう。
・ミキサー食
料理を全てミキサーに加え、液体状にした後、とろみ剤を付けて飲み込みやすい状態にしたものをミキサー食と言います。
ミキサー食は食事がかなり難しい人でも行うことができます。
最近では、ミキサー食は見た目があまり良くないということで、ミキサー食をゼリー状に柔らかく固めて見た目を普通食に似せた「ソフト食」なども出てきています。
■老人ホームは多くの食形態を持った人がいる
老人ホームでは上記のような食事形態がみんな同じというわけではなく、様々な食事形態を持った人がいます。
特に特別養護老人ホームでは介護度が高い人が多いので、普通食が食べられる人や刻み食の人、ミキサー食の人など、幅広くいらっしゃるので、給食側はそれに合わせて対応する必要があります。
また、例えば魚は普通食で食べられるが、肉は固くて食べられないので刻み食にしたいという方もいれば、逆にいつもは極刻みなのに好きなものだけ普通食で食べられるという人も中にはいらっしゃいます。
このように老人ホームでは、一人ひとりが食べてもらえるように食形態も工夫しているのです。
老人ホームごとに提供されている食形態には若干違いが見られ、どこまで対応できるかも変わってくるので、もし老人ホームを探しているという方は食事内容だけではなく食形態の対応に関しても確認しておくと良いでしょう。