特養でできること、できないこと(医療面)
特別養護老人ホームでは、日常的な介護の他にも医療サービスを受けることができます。
特別養護老人ホームは要介護度が高い方も多くいらっしゃるため、医療行為が必要になることも少なくありません。
ほとんどの施設では介護職員の他に看護師も施設内で働いています。
しかし、そんな特別養護老人ホームでも医療面でできることとできないことがあります。
今回は特別養護老人ホームの医療でできること、できないことについてご紹介します。
■医療でできること
一般的に特別養護老人ホームが医療でできることは、かなり少ないです。
看護師はいるのですが、医師の配置義務はなく、多くの場合近くの病院の医師が週に1~2回程度往診となります。
施設看護師は主に入所者の健康管理や観察、さらに往診に来られる医師と連携することを役割としていて、具体的には血糖値やバイタルを測定し健康管理を行ったり、投薬管理などを行っています。
また、必要に応じてインシュリン注射や胃ろうなどの経管栄養の管理、留置バルーンの洗浄や交換、ストーマ管理など、介護士にはできない行為を行います。
このような医療処置が必要であっても看護師がいるため入所は可能です。
ただし、看護師は常駐義務がないので夜勤がないことも多く、夜にこのような医療処置が必要になる場合は入所自体が難しくなってしまうでしょう。
■医療でできないこととは?
では、特別養護老人ホームでできない医療行為とはどのようなことでしょう?
例えば、中心静脈栄養や24時間看護師がいないとできないような点滴は、特別養護老人ホームでは実施することができません。
また、痛みを抑えるための麻薬を使った治療や、気管切開を行った上での人工呼吸など、高度な医療行為が必要な場合は施設内で行うことはできないので注意が必要です。もし、高度な医療を実施している状態で特別養護老人ホームを探しても、入所前の段階で断られてしまうことも多いでしょう。
■緊急時の医療行為はどうなる?
特別養護老人ホームでは高度な医療行為はできないとご紹介しましたが、もしも突然心肺停止状態になったらどうなるのでしょう?
基本的に緊急時は看護師がいれば応急処置を取り、すぐに救急車を呼んで家族にも連絡を取ります。
施設によって緊急時対応マニュアルの内容は異なっているため、介護士が緊急時に処置を行ってよいのかは各施設によって異なりますが、命を優先させることが多いでしょう。
特別養護老人ホームの定義として、ある程度病院で医療的な措置を施した方が介護を必要とする場合入所する場でもあるため、最低限の医療行為のみとなっています。
そのため、十分な医療ケアを受けたい場合、特別養護老人ホームでは十分でないことも多いので気を付けましょう。