飲んでいる薬の中身、わかっていますか? -パートⅠ-
老人ホームなど高齢施設に入居されるほとんどの方が、毎日薬を服用しています。
そして、服用介助も老人ホームなどで重要な介護サービスです。
しかし、誤薬事故も少なくはないようです。
老人ホームなどの施設で、誤薬事故の防止対策としてどんなことを行っているのでしょうか。
■そもそも服用介助は介護なの?
老人ホームでは高齢者が服用する薬を管理し、服用を介助することがあります。
薬は医薬品なのでこれは医療行為にならないか不安になる方も多いですが、入居者本人や家族の意向によって、服薬指導により管理や配薬、服用介助が可能です。
老人ホームなどの施設に入居すると在宅よりも通院が難しくなり、病気の進行や薬の飲み忘れ、用量の不一致などの状況もあります。
その状況にならないように、ケアマネージャーや薬を管理するスタッフは、アセスメントをしっかり行い、そして本人や家族に持病や服用に関する情報を伝える必要があるのです。なので、老人ホームに入居する前はどの薬を服用しているか、服用時間や用量を施設側へ正確に伝える必要があります。
特に入居者と別居している家族の場合は、入居前にどの病院に通院し、どの薬を飲んでいたかなど確認しておきましょう。
■誤薬事故の原因
老人ホームには看護師が常駐しているところも多く、その場合は看護師が薬の管理を行います。
しかし、グループホームなど看護師の常勤していない施設の場合は、スタッフが管理する必要があるのです。
老人ホームでは薬をほとんど服用する必要がない人、何度も複数の薬を飲む人など、用量や時間帯も多様なため、指示内容は職員同士でしっかり情報を共有することが大切と言えます。
しかし、介護は多忙なことから情報共有が遅れることが多く、誤薬事故が起きてしまうこともあるそうです。
どの入居者が薬を飲んでいるか把握することも重要ですが、薬の残量や通院予定を立てることも介護で大切な仕事と言えます。
家族側も面会時に薬の残量を確認したり、通院の予定を立てたりすることで、誤薬事故のリスクを減らせることができるでしょう。
老人ホーム側も薬を入れるボックスの中身や薬の情報を毎日確認し、職員に伝達、準備でも入居者の名前や服用する薬の組み合わせが間違っていないかを確認します。
また、与薬では名前を呼んで確認し、自己管理が難しい入居者にはその場で服用と確認、自己管理ができる入居者にも確認を徹底し、誤薬事故の防止に努めています。
大規模な老人ホームになると薬の管理も難しくなります。
誤薬を防ぐには薬の情報が大切なので、家族側もどのような薬を飲んでいるかなど情報を整理し、ケアマネージャーやスタッフに伝えましょう。