救急車を呼ぶのは在宅と同じ。特養での緊急時の対応
特別養護老人ホームに入所中、急に具合が悪くなった場合、施設に救急車を呼ぶことがあります。
特別養護老人ホームという施設にいるのに、救急車を呼ぶのはなぜでしょうか?
■特別養護老人ホームでも在宅と同じ状態である
特別養護老人ホームには、要介護3以上のサポートが必要な高齢者が多く入所しています。
入所者の中には急に具合が悪くなる方もいますが、もしも急に具合が悪くなった場合、介護職員が状態を確認して家族に連絡を取るなど、施設毎にマニュアルが決まっているので、その流れに沿って緊急時の対応をしていきます。
特別養護老人ホームには、常に医師や看護師の常駐が義務付けられていないため、緊急時に連絡をもらってから対応することがほとんどです。
■施設ごとの緊急時マニュアルがある
施設毎の緊急マニュアルはそれぞれ異なる部分がありますが、基本的な流れをご紹介します。
緊急事態発生後、速やかに待機看護師に連絡を入れます。
看護師からの指示に従って緊急搬送を要求します。
待機看護師に入所者の状況(顔色・意識状態・呼吸・バイタル)を説明した後に指示に従って対応します。
もしも、緊急性が高かったり、生命の危険が迫っている場合は即座に救急車を要請します。
救急車要請時には、入所者の性別や名前、意識状態や状態の報告をしておきます。
その後待機看護師からの医師に連絡後、家族にも連絡を入れます。
家族への連絡は、あらかじめ入所時に記入していただいた番号にかけておき、行き先の病院が決まり次第再度連絡をするようにします。
家族が遠方で病院に来られない場合は、病院に付き添う職員や看護師に伝えておきます。
また救急車が来るまでに、再度バイタルの測定や全身観察、必要に応じてAEDの装着、看護記録や家族連絡網をコピーしたもの、看護師専用携帯などを準備しておきます。
■研修で緊急時対応を見直そう
特別養護老人ホームなどの施設では、緊急対応をしなければならないことが多くなりますが、マニュアルが存在していても、急な対応を迫られたときに動くことができない場合の方が多いのです。
なので、特別養護老人ホームなどの施設では定期的な施設内研修として、緊急時対応に力を入れている施設が多くなっています。
緊急時対応をしっかりと学んでおくことで、万が一に事態にも備えることができるだけでなく、とっさの判断もしっかりとできるようになります。
緊急時は慌ててしまいがちですが、慌てずに正しい行動を取ることで救われることもあるので緊急時対応は重要となるでしょう。
また、緊急時対応について入所している特別養護老人ホームに確認をしておくことも大切です。
特別養護老人ホームは医療機関ではないため、万が一の時もまずは救急車などを呼ばなくてはいけません。
しかし、特別養護老人ホームでは看護師がいる際には応急措置を行ったり、研修を実施することで介護職員が緊急時に対応できるようにしています。
緊急時の対応はそれぞれの施設によって異なるので、入所前に不安な方は尋ねておきましょう。