『看取り介護加算ってなに?』知りたい!老人ホーム豆知識
近年注目が高まっている老人ホームでの看取り介護ですが、看取り介護について調べていると「看取り介護加算」という言葉を目にすることが多いでしょう。
今回は、看取り介護加算や対象の老人ホーム、なぜ看取り介護加算が制定されたのかなどを紹介します。
■看取り介護加算とは?
看取り介護加算は、平成18年4月に介護報酬制度に加わった制度です。
老人ホームを利用している高齢者がそれぞれ自分に合った最期を過ごせるように支援するためにできました。
看取り介護加算は、老人ホームの利用者ではなく介護施設側が申請したり加算を受けたりします。
看取り介護加算を算定できるのは、特別養護老人ホーム、グループホーム、特定施設入居者生活介護の3つの事業者です。
算定条件には、「看取り介護加算(Ⅰ)」「看取り介護加算(Ⅱ)」の2種類が定められています。
看取り介護加算(Ⅰ)の条件は全ての施設に求められる5つの条件が取り決められています。
一方で、看取り介護加算(Ⅱ)は看取り介護加算(Ⅰ)の条件をクリアし、さらに新たな4つの条件を満たしている場合に算定されます。
看取り介護加算で取得できる単位は以下の通りです。
◎看取り介護加算(Ⅰ)
・死亡日以前4日以上30日以下…1日につき144単位
・死亡の前日および前々日…1日につき680単位
・死亡日…1日につき1280単位
◎看取り介護加算(Ⅱ)
・死亡日以前4日以上30日以下…1日につき144単位
・死亡の前日および前々日…1日につき780単位
・死亡日…1日につき1580単位
■なぜそのような制度が加わったの?
看取り介護加算ができてからは、看取り介護を取り入れる老人ホームが増加傾向にあります。
さらに看取り介護加算が制定された後は、何度か改定が行われ、より良い制度に生まれ変わっています。
では、なぜ看取り介護加算が加わり改定が重ねられているのでしょうか。
それは2040年頃の「多死社会」が懸念されているからです。
多死社会とは、高齢者が増えることによって死亡者数が増え、人口が減少していく社会のことを言います。
死亡者数が増えると、病床不足によって死亡場所の確保が難しくなってしまいます。
それ故に現在から看取り場所を増やすべく、看取り介護加算のような制度を取り入れ、老人ホームなどの介護事業所での看取り介護に力を入れ始めました。
今回は、看取り介護加算や対象の老人ホーム、なぜ看取り介護加算が制定されたのかをご紹介しました。
近年では、多くの老人ホームが看取り介護を取り入れ始めています。
看取り介護は本人や家族の同意が必要になるため、検討している場合は早めに対応可能な老人ホームについて調べておくと良いかもしれません。