『見当識障害ってなに?』知りたい!老人ホーム豆知識
加齢とともに様々な障害に悩まされている方は多いです。
中でも認知症による見当識障害は、徘徊の原因になることもあるため、トラブルが起きやすい症状と言われています。
今回は、そんな見当識障害についての解説や老人ホームでの対応法についてご紹介していきます。
■見当識障害とは
見当識障害は、現在の時刻や日付、今いる場所や一緒にいる人などのことが分からなくなってしまう症状のことを言います。
見当識障害になるきっかけとして多いのは、環境の変化と言われており、特に引っ越しや入院などの後に見られることが多いです。
もちろん、老人ホームへの入居がきっかけで症状が悪化してしまうこともあります。
■どんなトラブルが起こる?
見当識障害によって起こるトラブルは様々です。
特に多いトラブルは以下の2つです。
・徘徊による行方不明や交通事故
今いる場所が家ではないと思って飛び出してしまったり、真夜中に買い物へでかけてしまったりすると、元いた場所に帰ってこれなくなり、徘徊してしまいます。
徘徊による行方不明や交通事故は、実際に多発しているトラブルでもあります。
老人ホームでは、常にスタッフが見守っているため、徘徊の心配は少ないです。
・季節感が失われたことによる体調不良
見当識障害が起きると、季節の感覚もなくなってしまいます。
夏であれば暑いことに気づかず脱水症状になってしまったり、冬であれば薄着のまま外に出て風邪をひいてしまったりします。
高齢者は特に熱中症になりやすいため、老人ホームでは定期的な水分補給を促したり、おやつの時間を設け、適度な水分補給を行っています。
■見当識障害への対応方法
次に、老人ホームが行っている見当識障害への対応法についてご紹介します。
・カレンダーや時計を活用する
老人ホームでは、今日の日付や現在の時刻などを質問し、答えてもらう練習をすることが多いです。
頭に残りやすくするためには、声に出してもらうことが重要になるのです。
実践する時は、カレンダーや時計を使って行うとより効果的です。。
それだけでなく、こちらから「もう夜になったので外が暗いですね」「今日は何月何日ですね」などの声掛けも良いとされています。
・積極的に外出する
徘徊などを心配し、老人ホームや家にこもりきりになってしまうと、症状が余計に進行してしまう可能性があります。
散歩はストレス発散にもなるため、積極的に外出するのがおすすめです。
老人ホームでは見当識障害を和らげるためにも、近所の公園や市内のイベントなどに積極的に参加しています。
今回は、見当識障害についてご紹介してきました。
見当識障害が起こった場合は、周りの人々の協力が必須になります。
老人ホームでは、見当識障害が出ている方に寄り添い、改善や予防に努めています。
見当識障害の予防には、規則正しい生活が必須と言われているため、老人ホームでも適度な運動や睡眠、栄養を積極的に取り入れています。
また、見当識障害が起こった時は、あくまでも症状の1つであることを理解し、振り回されないようにすることも大切です。