『機械浴ってなに?』知りたい!老人ホーム豆知識
老人ホームや介護福祉施設における入浴方法は、国の基準で最低でも週に2回として定められています。
この国の基準を基づいて、施設によって入浴回数を決めている所もあります。
老人ホームでの入浴方法には様々なものがありますが、今回はその中のうち機械浴についてご紹介しましょう。
■機械浴はどんな入浴方法なの?
機械浴というのは、老人ホームにおいて座ったままの姿勢を保てない人や寝たきりの人、その他入浴動作が困難な人が利用する入浴方法です。
機械浴には、寝たままの姿勢で入浴できるストレッチャー浴や座ったままの姿勢で入浴できるチェアー浴の2種類があります。
チェアー浴は、座った姿勢が保持できる人が対象となり、専用の浴槽と椅子を使って入浴します。
ストレッチャー浴は、ストレッチャーから担架をスライドさせることで寝たままの状態で入浴が可能です。
寝たきりの人や入浴動作が困難な人を、一般的な浴槽で全介助という形で入浴することは介護する側にとっても困難であり危険も伴います。
老人ホームに従事している介護者の負担も少なく、安全性を考えても機械浴が選ばれているのです。
機械浴ではお湯の温度や入浴時間がわかるものや、浴槽殺菌や掃除しやすいタイプのものなどもあり、清潔に使用できることも特徴です。
機械浴は多くの老人ホームで取り入れられており、入居者が快適な入浴ができるようより良いサービスを提供しています。
■介護度によって入浴方法は異なる
老人ホームでは、要介護度によってその人に合った入浴方法を選択しています。
比較的要介護度の軽い自立されている人やスムーズに歩行ができる人は一般浴で入浴します。
ほかの入浴方法と比較しても入浴回数や時間などの制限が少ないのが特徴です。
歩行が困難でも座った姿勢を保持できる人は、「リフト浴」と呼ばれる中間浴で入浴します。
中間浴は、車椅子からリフトに移動し、上下左右にリフトを動かして入浴します。
そして、最も介護度が重い人が機械浴で入浴するのです。
このように、老人ホームでは入居者の要介護度に合わせて最適な入浴方法を選んでいます。
入浴は体を綺麗に保つために大切なものであり、皮膚の病気や尿路感染症などを防ぐ効果もあります。
しかし、介護が必要な高齢者の場合、入浴は思わぬ事故につながる恐れもあり危険です。
老人ホームでは、入居者が気持ちよく過ごせるよう、健康で安全なサービスを提供しているのです。
今回は、老人ホームでおこなわれている機械浴についてご紹介しました。
機械浴は、寝たきりの人をはじめ介護度の最も重い人が利用する入浴方法です。
入居者と介護者の安全を第一に考えられており、快適な入浴ができるようなものとなっています。
老人ホームや介護福祉施設の入所を検討しているなら、こうした入浴方法についても事前に確認してみてはいかがでしょうか?