なんでそんなに怒っているの?認知症のメカニズム
認知症は「怒っている」というイメージが非常に強く、怒りっぽくなったことがきっかけで認知症に気づく場合もあります。
老人ホームでは認知症の入居者に対する対応でトラブルを招きやすく、接し方も難しいと言われています。
認知症になるとどうして怒りっぽくなってしまうのでしょうか?
■怒りっぽくなる認知症…その原因は?
・感情のコントロールができなくなる
老人ホーム生活において、イライラやストレスは幾度となく遭遇することでしょう。
そんな感情を毎日味わっていても大抵の人は、感情を抑えるコントロールをしていますが、認知症になるとそれがうまくコントロールできなくなり表にすぐに出してしまうものです。
・「わからない」「できない」という不安が
老人ホーム入居中に認知症になった人は、自分の中で何かが変化したということに気づいています。
今までしてきた当たり前のことが老人ホーム生活においてできなくなってしまったり、理解することが難しくなってくるという不安感や恐怖感に戸惑いを感じてしまいます。老人ホームでの何気ない変化や些細なことでも過剰に反応してしまい、老人ホームの職員や入居者に対して怒りっぽくなってしまうのが特徴です。
■認知症による主な症状
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症は主に怒りっぽいという症状が特徴的です。
レビー小体型認知症は、普段から怒りっぽくなる以外に、被害妄想や幻覚が起こる場合があり、老人ホーム内での暴力につながることがあるため注意が必要です。
前頭側頭型認知症は、脳が委縮することにより理性的な行動がとれなくなってしまいます。
今までの性格とは別人の人格が出やすくなり、老人ホーム内で同じコースをグルグルまわったり、手を叩くなどある一つの行動を繰り返す特徴があります。
この行動を老人ホームの職員が引き止めようとすると、パニックを起こしたように激昂してしまうので注意してください。
■老人ホームではどのように対処すべきか
・冷静に見守る
無理に言動や行動を止めようとすると興奮して、老人ホーム内で暴れたり暴力をふるう可能性があるので静かに存在を受け入れて、共感してあげましょう。
そして会話できる状態であれば、ゆっくり語りかけてあげるようにしてください。
・会話の話題を考慮する
老人ホーム生活が長くなれば、怒るタイミングもなんとなくわかってくるものです。
怒ってしまう前に話題を変えたり、注意を促す時は会話の仕方を工夫するようにしましょう。