在宅介護を始める前に準備しておきたい十のこと その①
両親の介護が必要になった場合、老人ホームなどの介護施設を利用せずに在宅介護を選ぶ方もいます。
初めての在宅介護は戸惑うことも多く、何から準備するのか悩む方も多いでしょう。
ここでは在宅介護の準備や心構えについてご紹介します。
■在宅介護の準備と心構えについて
・介護保険を理解しよう
介護保険を利用して介護サービスを負担なく利用することができます。
介護用品のレンタルも負担が減るので、介護保険の申請が必要です。
・介護保険の申請
介護保険の申請には市区町村で要介護認定を行う必要があります。
自治体の介護保険窓口、もしくは地域包括支援センターへ問い合わせてください。
要介護認定には介護保険被保険者証、40~60歳で特定疾患を患っている場合は健康保険被保険証と診察券など主治医が分かるものを提出しましょう。
なお、認定結果の通知は1ヶ月程かかります。
・ケアプランの作成
老人ホームの利用や介護サービスを受けるためにはケアプランの作成が必要であり、要介護認定後に作成できます。
介護は複雑なので、信頼できるケアマネージャーを選び、介護を受ける家族の心身状態や適切な介護サービス、介護用品などプランを作成してもらいましょう。
また、介護で困っていること、疑問や希望もあらかじめ明確にしておいてください。
・介護サービスの確認
在宅介護では訪問介護やデイサービス、ショートステイなどのサービスが利用できます。
どのようなサービスが使えるか必ず確認しましょう。
・協力者をつくること
介護は過酷なので、家族で介護や家事の役割分担をして負担を軽減することが大切です。
家族全員で介護者を支え、精神的・肉体的なストレスを緩和させましょう。
また、日中は老人ホームに預ける、ホームヘルパーを雇うなど専門家の協力もおすすめです。
・自宅環境のチェック
在宅介護の負担を軽くし、安全に暮らすためには段差をなくしたり、スロープや手すりを設けたりバリアフリー設計にリフォームするのも良いでしょう。
また、ベッドが導入できる広さか、トイレに近いなどの配慮も必要です。
・資金集めは早めに
老人ホームに入居していなくても、在宅介護では多額の資金が必要です。
場合によってはリフォームや介護用品でお金がかかり、ケアマネージャーや訪問介護などの利用でもお金は必要となるので、健康なうちから資金を貯めておきましょう。
・身辺確認
介護が必要になると意思疎通も困難になりがちなので、会話がとれる段階から鍵の管理や経済情報、貴重品の保管場所など身辺確認を行ってください。
・老後のことは話し合うこと
介護はされる側もストレスを感じてしまうので、日頃から老後は老人ホームに入るのか、在宅介護にするかなど家族で話し合っておきましょう。
親子の関係を維持することも大切です。
・老人ホームの入居も検討
家庭状況などによって在宅介護が難しくなる可能性もあります。
特に要介護が高いほど介護が難しくなるので、いずれは老人ホームを活用する検討も事前にしておきましょう。
もちろん、介護を受ける側の意見も尊重してください。
在宅介護の準備についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。
あらゆる理由から老人ホームへ入居させるのではなく、自ら在宅介護を選択する家庭も少なくありません。
在宅介護は苦労も多いですが、家族も高齢者も安心して暮らせるメリットは大きいです。
苦労を感じたら老人ホームを利用する逃げ道も考えておくと、気持ちを軽くして在宅介護が行えるでしょう。