介護者に賠償責任!?安心のセンサー最新事情
老人ホームではベッドからの転倒時、すぐに発見できるようにセンサーマットを設置しているところもあります。
しかし、中にはセンサーを設置しなかったことにより、老人ホームの介護者に賠償責任が発生してしまうこともあるのです。
今回はセンサーの最新事情についてご紹介します。
■離床センサーの種類は豊富
老人ホームでは離床センサーを用意しているところも多く、また介護保険を利用してレンタルすることもできます。
センサーにはベッド周りに設置するものから、部屋の出入り口や玄関、エレベーターに設置するタイプ、トイレや車椅子などの座席に設置するものなど種類も充実しています。
ベッド周りに設置する場合は、マットタイプが主流です。
ベッドの下に敷くことでマットに重心がかかった場合、ナースコールなどで知らせます。
マットレスに敷いて上体が起き上がると感知するセンサーやマットレスの端に敷くタイプ、ベッド柵を掴むと反応する巻き付けタイプがあります。
他にも、赤外線で感知するものや服などにクリップを付け、外れると知らせるタイプもあるのです。
最近は対象者を識別して報告するセンサーも登場しています。
玄関や部屋の出入り口に設置するタイプは徘徊が多い認知症の方の対策に最適でしょう。
■センサーは事故を防ぐ
老人ホームではセンサーを設けていないケースもあり、それによって事故があると老人ホームに賠償責任が発生することもあります。
老人ホームの中には自立した生活が送れる高齢者もおり、足腰がしっかりしている人ならベッドなどで転倒することはないだろうという油断から、センサーを設置しないこともあるのです。
そして、夜間など監視体制が少なくなる時間帯に事故が起きてしまうと介護責任を問われてしまう可能性もあります。
老人ホームで働く介護者は激務であるため、我慢できずにセンサーの電源を切ってしまう不祥事もあり、介護責任を放棄したということで訴えられるケースもあるのです。
また、センサーをしっかり設置しても事故が発生する場合があります。
マットタイプのセンサーは重心を感じることで反応する仕組みなので、マットに触れないと反応しません。
なので、設置場所のミスによって事故を把握できない場合もあるのです。
特別養護老人ホームではナースコールの設置が義務付けられていますが、センサーに関しては老人ホームでは任意の状態です。
入居者の安全性を考えれば大切な設備ですが、介護者の負担を考えると義務化は難しいと言えます。
センサーに関してはどのような場合に設置するかなど、あらかじめ老人ホームへ確認をとりましょう。