特別養護老人ホーム(特養)とは
特別養護老人ホームは、公的に運営されている介護施設のひとつです。在宅での生活が困難とされた高齢者が入居できる介護施設となっています。介護保険法の定義では「介護老人福祉施設」という別名で呼ばれますが、一般には「特養」の略称で親しまれています。
公的施設のため、費用は安価です。入居にかかる費用は、家賃・食費・光熱費、その他日常生活にかかる雑費などが必要となり、入居一時金はかかりません。目安として、ユニット型個室で13万円、多床室で8万円ほどが相場になっています。
また、負担すべき額は、本人や家族の世帯収入、相部屋・個室ユニットなどの部屋タイプによって異なります。最近では、高齢者の尊厳を守るなどの理由に、ユニット型個室タイプのある施設が増えてきています。
特養は、2015年4月の制度改正によって、より必要性の高い人が優先して入居できるよう、原則要介護度3以上の方しか入居できなくなりました。ただし、要介護1および2や、65歳未満の高齢者でも、下記のような状態で特養以外での生活が困難な場合は特例的に入居できます。
<要介護1・2で、特養入所が認められる例>
・認知症や知的障害、精神障害で、日常生活に支障を来すような症状などが頻繁に見られること
・深刻な虐待が疑われることなどにより、心身の安全・安心の確保が困難な状態であること
・単身世帯などで、家族などの支援が期待できず、地域での介護サービスなどの供給が不十分であること
一時期は、全国で数万人の待機者が出ていた特養ですが、近年は介護度の制限ができたことによって待機者は一定数減りました。しかし、場所によっては数百人ほど待機している特養が今もあり、受け皿が足りていないことが分かります。
介護サービスとしては、要介護度が高い方のための公的介護施設であり、比較的手厚い介護を受けることができます。要介護度が高い方にとって安心の特別養護老人ホームであり、介護は24時間体制となりますので、夜間の介護が必要な方も安心です。
また、特別養護老人ホームの介護職員は入居者3人に対して1人いる必要があり、手厚い介護が可能になっているだけではなく、日中は食事介助や日常生活支援サービス、リハビリ、レクリエーションなどもしっかりと行われていますので、生活の面では安心です。