もし家族が認知症になったら?介護経験者から学ぶ介護の心構え
高齢化社会が進むと同時に心配されているのが、認知症患者の増加です。
高齢の家族を持つ世帯の中には、老人ホームなど介護施設へ入れて認知症の進行ストップや予防を行っているケースもみられます。
もし家族が認知症を患ってしまい、老人ホームへ入れられず在宅介護が求められる時、どのような心構えが必要なのでしょうか。
今回は認知症の高齢者を介護する心構えについてご紹介します。
■認知症の家族への接し方
認知症を患うと普通の人にとっては奇行とみなされる言動が多いです。
言動や失敗に対して怒る人も多いのですが、精神的に追い込まれると反発を示し、さらにストレスから認知症が悪化する恐れもあるのです。
なので、認知症の家族の心を理解して、信頼関係を築くことが介護では大切と言えます。
・自尊心を傷つけないこと
認知症の方は物忘れや失敗も多いですが、それを否定したり説得したりすることは効果がありません。
・本人の世界観を理解する
自分の世界を形成していることが多く、その世界観と現実のギャップに動揺してしまいます。
なので、世界観を理解し、ギャップを小さくすることで安心感を与えられます。
・主張を大切にして、愛情を持つこと
認知症の方は正論を説いてもなかなか理解することが困難なので、本人の主張をできるだけ受け入れましょう。
また、記憶になくても感情は記憶されるので、嫌な感情を残さないように優しく愛情を持って接することも大切です。
・コミュニケーションのサポート
伝えたいことや行動したいことが思い出せない場面も多いので、家族が思い出せるようにサポートするような会話も介護では欠かせません。
・生活のリズムを整え役割は維持
認知症でも元気でいるためには、正しい生活リズムが重要です。
また、調理や掃除の一部をやってもらい、感謝を伝えることで生活の楽しさを感じてもらうことができ、それが脳の活性化にもつながります。
■認知症はどんな老人ホームに入居できる?
在宅介護が難しくなった場合は、老人ホームなど介護施設への入居が検討されます。
特別養護老人ホームや有料老人ホームなど様々な施設がありますが、認知症の高齢者を受け入れている老人ホームはたくさんあるので安心です。
しかし、老人ホームによって受け入れられるレベルが異なるので、どのくらい進行しているのか把握しておくことも大切です。
また、現在は元気でも老人ホームへの入居後に発症するケースもあるので、認知症に対応した老人ホームを選ぶと良いでしょう。
すでに軽度の認知症で自立した生活ができれば、グループホームがおすすめです。
認知症の介護は通常よりもますます大変ですが、心構えを理解して介護にあたることが大切です。
すでに老人ホームへ入居されている場合でも、心構えでの接し方を大切にしてください。