認知症と間違いやすい!正常圧水頭症とは?
老人ホームに入居している高齢者の中には、正常水頭症といって認知症によく似た症状に悩まされる高齢者が多くいます。
老人ホームでは、日常生活の中でこういった症状に気づくタイミングが多くありますが、正常水頭症に気づくきっかけや症状はどのようなものが考えられるのでしょうか?
■記憶や歩行障害は認知症だけではない
老人ホームの介護職員は、入居者の足元がふらついたり忘れっぽくなったりする症状が多くなると認知症を疑うことが多いものです。
しかし、正常圧水頭症にも似たような症状があるため間違った判断をしてしまうこともあります。
正常圧水頭症は、髄液の体内への呼吸が悪くなることによって脳室に髄液がたまってしまい、脳を圧迫してしまうことで色々な症状を引き起こします。
60~70代に多く発症するため、老人ホーム入居中に症状が現れてしまう高齢者もいることでしょう。
認知症の場合は、進行をできるだけ抑えるために老人ホームでも予防や対策を行っていますが、正常圧水頭症は症状の仕組みが全く異なるため早期発見が重要になります。
■正常圧水頭症は手術によって改善の余地も
認知症と同じ症状を持つ正常圧水頭症は、シャント手術によって髄液を排出するための管を皮膚に埋め込み、脳に触れることなく脳室から髄液を出し体の症状を改善させる効果があります。
治療を早く行うことによってより効果が期待できるので、老人ホームで歩行障害や物忘れ、無言状態になる高齢者がいた場合は、認知症だけでなく正常圧水頭症の可能性もあるということを頭に入れておきましょう。
■排尿障害もある
正常圧水頭症は、歩行障害や認知障害以外に排尿障害も多くみられる特徴の一つです。
老人ホームで生活している中で、頻繁にトイレに行くような行動には要注意です。
頻尿になるとともに、歩行困難になりトイレに間に合わず尿失禁状態になることもあります。
老人ホームの職員は、入居者の行動や変化を常にチェックする必要がありますが、このような少しの変化に敏感になることで病気のサインにも気づくことができるのではないでしょうか。
老人ホームに入居している高齢者に、体の異変があった場合は迷わず医療機関に行き受診するようにしましょう。
早期発見・早期治療が進行を抑え、遅らせたりする重要なポイントです。
老人ホームには、介護職員だけでなく看護師や医師が常駐している施設もあります。
記憶力や認知機能を調べるには、血液検査やMRIなど精密検査が必要になるので、しっかり診断してもらうようにしましょう。